水の教会は、北海道の「星野リゾート トマム」内に建つチャペルである。
兵庫県の「風の教会」、大阪府の「光の教会」と並ぶ安藤忠雄の教会三部作の一つであり、風の教会に続いて設計された。
礼拝堂は、人工の湖とそれを囲むL字型の壁によって構成されている。
参拝者はL字型の壁に沿って礼拝堂へと向かうが、その途中では建物も湖も姿を見せない。
耳に届くのは水のせせらぎだけであり、次第に期待感が高められていく。
礼拝堂の床には、磨き上げられた黒御影石が用いられている。外から差し込む光は床面に映り込み、湖面のような反射を生み出すことで、自然との一体感を演出している。
内部は打ち放しコンクリートによるミニマルな空間だが、北海道の厳しい寒さに対応するため、二重壁構造や床暖房などの高度な建築技術が取り入れられている。
この教会の着想は、六甲山中に建つ風の教会を計画していた頃に生まれたとされる。
山に囲まれた環境とは正反対の、水辺に開かれた場所にチャペルを建てるとどうなるのか。その発想から、水の教会の構想が生まれた。