はじめに

両国といえば相撲の街というイメージが強いですが、実は名建築が密集する建築散歩の穴場エリアでもあります。
菊竹清訓・妹島和世・槇文彦・伊東忠太など、日本を代表する建築家の作品が徒歩圏内に点在しています。

この記事では、両国駅周辺で必ず訪れたい建築10選を写真付きで紹介します。
初めての建築巡りにも、建築好きの深掘りにも役立つ内容になっています。

1. 江戸東京博物館

外観 江戸東京博物館は1992年に菊竹清訓氏により設計された建築です。
場所は両国駅西口を出てすぐの場所にあります。
2022年よりOMAの重松象平氏監修のもと大型改装が行われ、2026年3月末にリニューアルオープンしました。

ピロティ 建物の中を進むとエスカレーターがあり、その先に「江戸東京ひろば」と呼ばれるピロティがあります。
ピロティの広さは約15,000㎡(サッカーコート2面分)あり、写真以上にスケールを感じました。

エレベーター 建物全体の無機質な雰囲気とは対照的に、エレベーターは生物的な造形で、ポストモダニズムの雰囲気が感じられます。

ピロティ 展示階はピロティから伸びる4本の柱で支えられており、高床倉庫を思わせる構造です。
展示階をあえて高くした理由は、展示物を水害から守るためや、来場者が江戸城と同じ高さ(62m)に合わせるためだそうです。

江戸東京ひろばは無料で入場でき、2026年の5月上旬までは17:20-20:00に浮世絵や日本の四季をテーマにしたプロジェクションマッピングも開催されています。
公式サイト

2. すみだ北斎美術館

外観 すみだ北斎美術館は2016年に竣工、設計は妹島和世氏です。
場所は両国駅から東向きに少し歩いたところにあります。

アルミパネルのシャープなデザインにスリッドが入ったデザインが特徴的です。
アルミの反射で周囲の景観を映しつつ、スリッドを入れることで威圧感を消した、建物が周囲に溶け込むよう工夫されています。

入口 スリッドの中はガラス張りになっており、内部空間も非常に美しいです。

地図 建物は4つに分かれており、美術館自体はコンパクトなので、1時間程度で見て回れると思います。
公式サイト

3. 両国国技館

外観 両国国技館は1984年に竣工、設計は杉山隆建築設計事務所と鹿島建設です。
場所は両国駅西口を出てすぐにあります。
訪問日はイベント開催中で内部には入れませんでした。

4. 刀剣博物館

外観 刀剣博物館は2017年に竣工、設計は槇文彦氏です。
場所は旧安田庭園の隣にあります。

外観 外壁は木枠コンクリート(左側)と打ち放しコンクリート(右側)が用いられています。

内観 内観は布のようなものでふんわりした暖色系の照明があり、落ち着いた印象を受けます。

照明 壁面には扇子のようなデザインの照明があり、刀剣博物館らしい和の意匠が感じられます。

裏から見た外観 旧安田庭園側から見ると、正面とはまた違った雰囲気を感じます。
公式サイト

5. 東京都慰霊堂

外観 東京都慰霊堂は1930年に竣工、設計は伊東忠太氏です。
場所は両国駅西口を出て、北に少し歩いたところにあります。
ここは1923年の関東大震災や、1945年の東京大空襲で亡くなった方を弔う施設です。

外観 日本旧来の神社仏閣的様式と中国やインドの三重塔の様式を取り入れた建築になっています。
公式サイト

6. 東京都復興記念館

外観 東京都復興記念館は1931年に竣工、設計は伊東忠太氏、佐野利器氏です。
場所は東京都慰霊堂と同じ公園内にあります。

ここは関東大震災からの復興を記念した建物だそうです。

軒下にいる怪獣のような彫刻は「ライオー」と呼ばれています。

外観 建物の西側には関東大震災の火災で溶けた遺留品が展示されています。
公式サイト

7. YKK60ビル

外観 YKK60ビルは1993年竣工、設計は槇文彦氏です。
場所は両国駅から北東に15分ほど歩いたところにあります。

側面 YKKといえばファスナーのイメージでしたが、窓・サッシ・ドアなどの製品もあるようで、それらの技術が結集されたビルになっています。

ドア 北側にある回転ドアが印象的です。

8. ヨシダ印刷

外観 ヨシダ印刷は2014年竣工、設計は妹島和世氏です。
場所はYKK60ビルの近くです。

ファサードは網目状に加工した金属板(エキスパンドメタル)を使っており、外からは内部が見えにくい一方、内部から外は見えるようになっているそうです。

9. 墨田みどり保育園分園

外観 墨田みどり保育園分園は2018年竣工、設計は石原健也+デネフェス計画研究所です。
場所は両国駅から東に15分ほど歩いたところにあります。

建物内部を中心にスロープでぐるっと囲うような構造になっているようです。

10. アパホテル&リゾート<両国駅前タワー>

外観 アパホテル&リゾート<両国駅前タワー>は2020年竣工、設計は新居千秋都市建築設計です。
場所は両国国技館の隣にあります。
2020年東京オリンピックや両国の都市計画に対応した、地上31階、1111室の超高層ホテルになっています。

窓のデザインは葛飾北斎の「新形小紋帳」をモチーフにしているそうです。

最後に

上記の他にも温泉施設「江戸遊」(設計:久保都島建築設計事務所)などもあります。
ぜひ、両国駅周辺で建築を見られる際は参考になれば幸いです。