丹下健三が構想したメタボリズム
丹下健三が設計したこの建築は、「メタボリズム建築」を代表する作品のひとつです。
メタボリズム建築といえば中銀カプセルタワービルがよく知られていますが、この建物はそれより5年早く完成しており、後のメタボリズム運動に大きな影響を与えた存在と言えます。
地下1階地上12階建てで、建物の中心には、直径約7.7メートルの円柱状コアシャフトが据えられています。
このコアにエレベーター、階段、トイレなどの設備をまとめ、そこから枝のように張り出したユニットにオフィス空間が構成されています。
丹下は「東京計画1960」や電通本社ビルの築地計画などを通じて、円柱コアと梁によって容易に増改築できる建築の構想を練り上げました。
その考え方は山梨文化会館やこの建築で具体的に実現され、メタボリズムの思想を先取りするものとなりました。
名建築の継承
この建物は老朽化が進んでいたため、2022年に大成建設によって約1年の改修工事が行われました。
外壁は建設当初から色褪せが目立っていたため、当時の色を再現する形で濃い茶色に塗り直されています。
耐震補強としては、コア部分の1階から4階までの内側に、厚さ9ミリの鋼板を打ち付ける方法が採用されました。
これにより、丹下の特徴である外観の造形と、内部空間の広がりを損なうことなく、建物の安全性を高めています。